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東京高等裁判所 昭和39年(う)302号 判決

主文

本件各控訴を棄却する。

理由

<前略>

一、控訴趣意三(2)について。

論旨は捜査官たる警察官がその捜査中に知り得た知識について法廷で証言するのは公務に属するからこれに対し強談威迫しても刑法第一〇五条ノこの証人威迫罪は成立しないというにあるが、本件においてAはBに対する道路交通法違反被告事件の捜査官であると同時に犯行を現認し審判に必要な知識を有すると認められる者であるから、同人も亦刑法第一〇五条ノ二の行為の客体となり得ること正に原判決指摘の通りである。所論は独自の見解であつて採用の限りでない。又刑法第一〇五条ノ二の規定が憲法に違反するとも解し難い。論旨は理由がない。

よつて刑事訴訟法第三九六条により本件各控訴を棄却し、主文のとおり判決する。

(裁判長判事岩田誠 判事飯守重任 伊東正七郎)

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